サックスの大きい音と小さい音の音程の変化
サックスの演奏では音程と喉の形状というのが密接な関係にあります。アンブシュア(口の形状)も重要ですが、音程が低くなる傾向については喉の形の方がアンブシュアよりも重要と考えています。
まず基本的な事ですが、息のスピード(量ではなく速さ)が上がると振動も速くなるので音は高くなります。逆に息のスピードがゆっくりとなると振動も遅くなり、音程が下がります。
音程が低くなってしまう場合はこの喉が開き過ぎという状態になる傾向があります。つまり必要以上に喉を開き過ぎ、音程が落ちてしまう状態です。
この辺りについては「サックスプレイヤーのための全知識」にも書いているのでそちらを参考にしていただければと思います。
そして音量時の喉のコントロールというのが重要になります。
通常(もしくはやや大きめ)の音量で吹くと問題なく聞こえるが、表現力を付けて演奏しようとすると途端に音質が悪い(というか正しくない音程での演奏)方向に変わってしまう事があります。
この問題は小さい音量での演奏の時に喉の形がうまく機能していないことが考えられます。つまり大きい音と小さい音で同じように吹けていないという事です。
そこで実際に同じメロディーを実際に歌ってみるとこの違いが顕著に現れることが分かりました。
「それが大きい声で歌う時と、小さい声で歌う時に音程の違いがある」ということです。
ここで1つ実験をしてみます。
何の予備知識もないまま、大きい声を出してもらった後に小さい声を出してもらいます。その時に小さい声の方が低くなる人の方が多いことが分かりました。(音感の良い人などはこれが同じ音程で歌えるかもしれませんが)
つまり、小さい声(小さい音)の方が喉の力が抜け、音程が低めになってしまうということになります。
息の量を減らすだけでは小さい音になりません。小さい音に合わせたアンブシュアや喉の形に変化させる必要があります。
声帯とサックスの音程というのは繋がっています。同じメロディーでも、大きい声でも小さい声でも同じ音の高さで歌えるようになると、サックスにとっても正しい喉の力加減というのが出来るようになり、正しい音程での演奏に繋がります。
表現力を付けるには「歌う」というのがやはり大事!!