サックスのパームキーの動かし方のコツ《自宅で出来るサックス運指練習》を公開しました。
パームキーの問題は運指の難しさがありますが、楽器が左右にブレたり、戻ってきたときに違うキーを押さえるという問題もあります。
攻略方法はいかに指を楽器から離さずに演奏するかということですが、その動かし方のコツが手を横に動かすのではなく、縦に動かすことにあります。
ちょっとした動かし方のコツを掴むようにしてみましょう。
サックスのパームキーの動かし方のコツ《自宅で出来るサックス運指練習》を公開しました。
パームキーの問題は運指の難しさがありますが、楽器が左右にブレたり、戻ってきたときに違うキーを押さえるという問題もあります。
攻略方法はいかに指を楽器から離さずに演奏するかということですが、その動かし方のコツが手を横に動かすのではなく、縦に動かすことにあります。
ちょっとした動かし方のコツを掴むようにしてみましょう。
ソ+2音の運指練習です。
ソを演奏した後に、2音演奏しますが、「ソ+1・2、ソ+2・1」といったように順番を入れ替えています。
その付け足した2音が徐々に上昇していくような形になっています。
[A]はCメジャースケール、[B]はGメジャースケール(ファ#)、[C]はDメジャースケール(ファ#・ド#)になっています。
前半部分がクロスフィンガリング(指を交差させる動き)、後半部分がオクターブキーの動きといったように、前半と後半で運指の難しさの質も異なってきます。
さらに音域も広くなるので、音が裏返らないように丁寧に演奏することも大事です。
ここではC、G、Dのキーでしか書いていませんが、他のキーでやってみてもいいと思います。
出来る限り速く出来るようになってみましょう。
「星に願いを」でのソロ例です。
今回のコンセプトは「リズムにバリエーションを持たせる」です。
演奏難易度★★★☆☆
コード進行は複雑ではなく、Aのダイアトニックコードを中心に構成されています。その中にF#7やD7といったセカンダリードミナントが入ってきています。
D7はG#7の裏コード(増4度上のドミナントセブン)なので、セカンダリードミナント扱いです。
この曲のポイントはディミニッシュです。C#m7→Cdim7→Bm7と流れるところが非常にオイシイ所です。
Cdim7の解釈は「F#7として考えて、C#m7→F#7のII-Vと考える」としてみましょう。
Cdim7のコードトーンはC、E♭、G♭、Aです。これってF#7のコンディミなんですよね。C(#11)、E♭(13th)、G♭(Root)、A(#9th)ということです。
こじつけに近いものになってしまいますが、そう考えると一段上の「A△7、F#7、Bm7」というコード進行と同じように演奏出来ちゃいます。「A△7/C#、F#7/C、Bm7」という分数コードにすると同じような響きになるという意味です。
となると、全体を通してAメジャースケール一発でもいけちゃう曲なので、Aメジャースケールをゴリ押しでもいいんですが、ここはちょっと半音階を多めに入れ、さらにテンポもゆったり目なものを考えているので、色々なリズムのバリエーションを入れるようにしています。
特に3連符。上昇、下降、アルペジオ、トリル(行って帰る)といった形の他に、タイを含むリズムも入れています。
少し複雑なリズムになっていますが、このリズムのバリエーションを演奏できるようになってみましょう。
アルトサックスでロングトーンをやるなら曲でやろう。
ただ音を伸ばすだけじゃ使える音にはなりません。曲をゆったりと、「いい音を出す」という意識を持って吹くことが大事な事です。
今回は「にじ」です。「虹」というタイトルの曲はたくさんありますが、作詞/新沢としひこさん、 作曲/中川ひろたかさんの曲です。
ちょっと長めに2:30くらいの長さにしていますが、やはりこのくらいの長さだと口はバテます。さらに休符がない、タンギングが多い、高音域を使うとなると、さらにバテます。
ペース配分を考えないとかなり最後は疲れると思います。
後は重くならないように。リズムを軽やかに演奏することも意識してみて下さい。
「クレオパトラの夢」でスケール練習です。
今回はメロディックマイナーです。
作曲がバド・パウエルというピアニストの曲で、日本でも有名な曲ですが、サックスではあまり聞かない曲です。
この曲はFマイナーで、スタンダード曲の中では珍しいキーで、サックスにとっては♭4つという結構苦手になるキーというのもあると思います。
コード進行はFマイナーのII-Vばかりで構成されており、覚えやすく難しいものではありません。キーが難しいだけです。
さて、今回はFmのコードでメロディックマイナーを使うようにしています。曲の半分がFmというコードなので、ほぼFメロディックマイナーで構成されているようなものですが。
ついでに、C7でもオルタード・スケールをたくさん使うようにしています。オルタードスケール=半音上のメロディックマイナーなので、C#メロディックマイナーになっているところも多いです。
メロディックマイナーをしっかりと叩きこんでみましょう。
ちなみに、テーマ部分はサックスにとって非常に厄介な運指です。オクターブキーとBisキーという運指トレーニングにもなる曲です。
ロングトーンの練習をするなら曲でやってしまえということで、今回は花*花の「さよなら大好きな人」。
原曲キーと同じキーです。 音域も中域で演奏しやすく、歌うように吹きやすいキーになっています。
歌いやすいからと言って、息を入れすぎるとかえって演奏が重くなってしまいがちです。しっかりとお腹に力を入れて、タンギングが遅くならないように、リズムを軽く取れるようにしましょう。
今回は敢えて小さい音を意識しています。息を弱くするのではなく、圧縮するようなイメージで音を小さくするようにしています。
メロディックマイナースケール(旋律的短音階)の各音から3度上昇のアルペジオを行い、3拍目から下降するスケール練習です。
通常、メロディックマイナーは下降の場合はナチュラルマイナーとなりますが、ジャズメロディックマイナーは上昇も下降も同じ構成音です。
そのメロディックマイナーを使用したスケール練習です。
メロディックマイナーは半音下のオルタードスケールとしても使えます。
CメロディックマイナーはBオルタードスケールなので、B7で使用することが出来ます。特にマイナーII-VのときのB7で使うのは効果的な使い方です。
他にも「ロクリアン#2」や「リディアン♭7」など、スタートの音が違えば名前が違うというスケールです。
最初の音を変えて行うとこのように「使えるスケール」になっていきます。
同じ音ばかりからスタートしていくとそれは指体操になってしまい、使えるスケールになりません。
また、「BオルタードはCメロデイックマイナー」とばかり考えていてはコードトーンも使うことが出来ません。
スケールの始まりの音を変えるようにするだけでも練習になります。
「ワルツ・フォー・デビィ」でのソロ例です。
コードトーンのみでソロを作成しています。
この曲はキーがDで、その3-6-2-5進行で進むかと思いきや、マイナー7中心の3-6-2-5とドミナント7中心の3-6-2-5があったりと、なんとも複雑です。
ルート音の動きはそこまで複雑ではないのですが、ドミナント7が多く、ハーモニーが特徴的です。
となると、キーを捉えることが難しくなります。そこで、スケールを中心にソロを作るのではなく、コードトーンを中心に考えてみると作りやすくなると思います。
とはいえ、テンポも早く、2拍ずつコードチェンジを行うのも大変ですが…。
またシンコペーションを使い、音数を減らす工夫をすると作りやすくなると思います。
ロングトーンの練習をするなら曲でやってしまえということで、第4弾は山崎まさよしの「セロリ」。
キーは山崎まさよしバージョンでもSMAPバージョンでもなく、サックスでやりやすいCメジャー(実音E♭)のキーにしています。
やはり16分音符のタンギングが難しいです。シンコペーションと連続する音を重くならないように意識することが大事です。
3音アルペジオで順番を入れ替え、Root-5th-3rdにアプローチノート(次の音の半音下)を入れたものです。
[A]がGメジャースケール、[B]がFメジャースケールでのダイアトニックコードになっています。
コードに素早く対応すること、アプローチノートを叩き込むことを目的にした練習です。
上昇型と下降型も最初の3音は1・5・3なので変わりませんが、アプローチノートは次の音の半音下になるのがポイントです。
ここが瞬時に出てくるようになるとジャズのフレーズを作りやすくなると思います。
やはりアプローチノートを考えているようではなかなかフレーズを作ることが出来ません。こればかりは染み込ませるまでやるという反復あるのみです。
「You’d Be So Nice To Come Home To」でのソロ例です。今回のコンセプトは「オルタードスケールを使う」です。
曲はGメジャーですが、全体的にはEマイナーのII-Vがたくさん入っているので、平行調のEマイナーの感じがします。
マイナーのII-Vはミクソリディアン♭9♭13(ハーモニックマイナーP5↓)というスケールがいわゆる普通と言われるものですが、やはりこれだけテンションが入るならオルタードを使ってみましょう。
ということで、B7とF#7はオルタードスケールになっています。
オルタードスケールは難しそうな雰囲気が漂うスケールですが、マイナーII-Vの場合は逆に簡単になる場合がほとんどです。
オルタードスケール=半音上のメロディックマイナーと同じスケール音です。となると、、、
普通のミクソリディアンなんかよりも全然簡単になります。
ちなみに、Emのコードでもメロディックマイナーを意識しています。「Em7」ではなくII-Vから解決で「7」が無い場合はメロディックマイナーやハーモニックマイナーも考えてみるといいでしょう。
ロングトーンの練習をするなら曲でやってしまえということで、第3弾はサザンオールスターズの「真夏の果実」。
原曲の通り、調号で#5個のBメジャーのキーです。
そこまで難易度の高い曲ではないので、#の練習のためにも原曲キーの通りにしてみました。
小さく芯のある音を作るためにはお腹に力を入れることを特に意識してみます。音の出だしなどは特に。
調号が複雑でも、指と音を同時に考える練習になります。
「コンファメーション」でのソロ例です。
今回のソロ例はコードトーンしか使っていません。ということで、コードトーンのみでしっかりソロを作る練習です。
チャーリー・パーカー作曲の代表的なビバップの曲です。
目まぐるしく変わるコードトーン、速いテンポ、そして覚えづらいメロディーという、まさにビバップと言われるジャンルの特長が詰まっている曲です。
さて、チャーリー・パーカーの曲は5小節目に「IV」に行くことが多いんですよね。ということで、これもちょっとブルースを意識するといいんじゃないかと思ってみたり…。
とりあえずII-Vがたくさん。いつでもII-Vです。
これだけコードが有ると大変なんじゃないの?とも思うんですが、逆にコードトーンが自分のフレーズをガイドしてくれるような感じにもなります。
コードトーンを中心に組み立てればフレーズが出来上がるってことです。
もちろんアドリブを極めるためには逆にコードトーンに縛られないようにというのも意識するんですが、今回は徹底的にコードトーンに従ってみましょう。
コードトーンのみでソロを作る時の意識してみることです。
ルールがたくさんあるじゃないかとも思うんですが、このように細かいルールがある方が最初に作りやすくなります。
※ちなみに一番難しいルールは「何でも有り」です。
これだけコードの多い曲だとコードトーンだけでも十分にソロを作ることは出来ます。コードトーンが瞬時に出てくるようにするためにも、コードトーンだけでソロを作る練習はいい方法だと思います。
Bisキーの練習です。
Bisキーにミ・ソの音を足してみます。
「ラ・シ♭・シ」+「ミ、ソ」というような感じになっています。
「シ♭」はBisキーを使い、「ラ#」はサイドキー(taキー)を使うことを推奨しています。
やはり右手・左手の両方を使うサイドキーは難しく、高速化するにはあまり向いていません。
それに対し、Bisキーは速い運指が行いやすくなります。もちろんデメリットは半音の動きが難しい事ですが。
さて、今回はそのBisキーの動きです。
速く動かすためには最低限の運指の動きにすることです。バタバタと指が動かないようにする必要があります。そのバタバタ動きにならないように、Bisキーを使うときはスムーズに動かす必要があります。
考え方は「通常ポジションからシ♭のときにBisキーにずらす」ではなく、「Bisキーを基本ポジションにして、シのときに上にずらす」ようにしてみます。
ラの時はBisキーを押していても問題ありません。さらに、ミ・ソもBisキーを押さえっぱなしでも問題ありません。
ということで、Bisキーを押さえている時間を長くするようにするだけでも変わります。
あとは「慣れ」です。
ちなみに、今回は[B]が一番難しいです。本当に速くならないです…。
あと、Eブルーススケールになっているので、このような運指はよく使います。
「ハニーサックル・ローズ」でのソロ例です。
今回のコンセプトは「H-Wディミニッシュ(コンディミ)を使う」です。
コード進行はそこまで複雑なものではありませんが、II-Vが多いのが特長です。
時折でてくるG7はドミナントモーションというより、IV7的でブルージーな響きに聞こえます。
メロディーでもBセクションで♭3rdのブルーノートを入れているのもブルース感を少し意識しているんじゃないでしょうか。
さて、2拍ずつ同じII-Vが出てくるとアドリブもそれに合わせると同じフレーズの繰り返しになってしまいがちです。
特にこの曲では4小節間、同じII-Vが続きます。
となると、変化を与えて違う発想がでるようにしてみます。
その方法の一つが1小節づつ|Em7|A7|Em7|A7|というように大きく捉える方法。1小節ずつ進むので、フレーズも大きく考えやすくなると思います。
そしてV7だけにしたところで、H-Wディミニッシュを使っています。
緊張感も生まれて来るので面白いと思います。
サックスでロングトーンやると言っても1音ずつやるより曲でやったほうが楽しいし、音楽的だよね。 ということで、ゆったり目にして曲を吹くのも十分ロングトーンの練習になります。
第一弾は「赤いスイートピー」で。
自分で弾いた拙い鍵盤で、サクッと2分で終わる感じになってます。
「A列車で行こう」でのソロ例です。
今回のコンセプトは「ホールトーンスケールを使う」です。
「A列車で行こう」の特長とも言えるのがAセクション3~4小節目のB7#5です。いきなりII7というのはよく使われるコードですが、この3~4小節目で、しかも#5が入るのはこの曲ならではです。
オーギュメントとも呼ばれる「#5th」で使われるスケールで一般的なのがホールトーンスケール。全て全音(英語でWhole Tone)で構成されているスケールで、半音が存在しないスケールです。
他にもコンディミやオルタードなんかも#5thが入るので使ってもいいと思いますが、ナチュラル9thと#5thの組み合わせがこの曲のハーモニーの特徴なので、やはりホールトーンが1番しっくり来るんですよね。
B7で上手く「ソ」を使いたいところです。
21~22小節でもB7が出てきますが、ここは#5thではないので、Bミクソリディアンが普通の響きのスケールになります。もちろんオルタードスケールあたりも面白いと思いますが。