音の練習について考える
サックスでいい音での演奏というのは魅力ある。
しかし、いい音で演奏するってのは大事だけど、いい音を出すことだけが目標になっちまったらちょっと違うのでは?と思うんですよね。
プロ・アマ含めて発表会などの人前でのサックス演奏を見ると「いい音で最後までしっかり吹く」「あまりいい音じゃないけど最後までしっかり吹く」というのはあるけど、「いい音だけど最後まで吹けない」ってのは見ない。
「いい音じゃなくて最後まで吹けない」というのもあるけど…。
つまり「ものすごくいい音をだす」というのは曲を最後まで演奏できることが絶対条件ではないかと。
自分もそれなりに音に対する自信があるから言えると思うんですが、いい音を出すための条件は精神状態。
いい音を出すためには音に対する練習も大事だし、1音をすごく綺麗に出す重要なんですが、指もとっちらかって、読譜も出来てない状態でいい音を出すって無理だと思ってるんですよね。
ロングトーンですごくいい音が出せた時のアンブシュアや身体の状態を演奏中に考える事。
身体の技術だけではなく、いい音を出すぞ!という思考回路を演奏中にどの位考えることが出来るかどうか。
サックスなんだからいい音で吹きたい願望は常に持ってもらいたい。しかし、それには曲を演奏しているという前提があるんですよね。
いい音を出すための第一歩は曲をしっかりと最後まで吹ききる練習をすること。
ちゃんと頭のなかに歌うような感覚が出来ると身体というかサックスは必ず反応してくれる。自分の思う方向へ進んでくれる。
人に見せる文章に例えると分かりやすいと思います。
曲=文章で音=文字。やっぱ文章がしっかりしていないと、どれだけ綺麗な字で書いたとしても句読点無視の誤字脱字だらけの文章だと何も引っかからない。文章がしっかりしていると、ちょっとくらい汚い字でもいいモノが出来る。
まずは文章(曲)。その後に、人に見せるからには、良い文章を綺麗な字(音)で見せたいってことになる。
あと、、、こういう言い方はちょっと乱暴なんだけど、音の練習はほどほどに。音の練習に偏向するのではなく、総合的に磨きをかけることが一番の課題。
音の練習方法ってたくさんあって、それぞれが超重要なんだけど、どこかで諦め的なものを見つけなきゃいけないんだよね。いい音が出るまで練習するんだったら終わりがないし、練習が全てロングトーンになってしまう。
一朝一夕で身に付く「超上質な音」というのは無い。「なんかいい音が出そうな感じ」「もう少しで出来そうな気がする」というのは怖い。その「もう少し」が本当はやたら長いからね。