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リードに息を当てる事と音量の関係について考える

サックスは息を真っ直ぐに入れるのではなく、リードに当てるような感じで吹くようにしています。

それについてはこちら
息をリードに当てる

低音域については奥側を狙い、高音域については手前側をねらうようなイメージで。

さて、ここにさらに「音量」というものが出てきます。
音量差についてはこちらについています

さて、「同じ音を大きく吹いて/小さく吹いて」と言われたときに何を変化させているか考えてみます。
ここで多いのが下記のような状態。単純に1音を出すためだけの話だとこうなる場合がほとんどです。

  • 深く咥えて、息をしっかり出せば大きい音になります。リードも奥の方を狙うような感じ。
  • 逆に浅く咥え、息を少なめに出せば小さい音になります。リードも手前側を狙うような感じ。

しかし、これは音量差を変えるためにアンブシュアを変えている状態です。推奨していません。
これでは曲では使えないからです。そもそもそんな余裕がないというのが一番ですが、ピッチも楽器のコントロールも崩れてしまいます。

音域によって息がリードを狙う場所を変えますが、音量では変えない!狙う場所は常に一定!

「同じ音の場合、大きい音も小さい音でも常にリードの同じ場所を狙い、音量差をつける。」と考えておきます。

こう考えた後に音量差をつけようと思っても、思っている以上に音量に変化が出ません。
逆にリードミスが増えたり、音が裏返ったり、ピッチが異常に変わる場合もあります。

それが現在の音量差の実力。それが曲の中で起こる事です。これを改善しなければいけません。
狙う場所は一定でも、ちゃんと音量差を出せることが望ましいです。

一番の目的は自分の中でコントロールできる範囲の中で音量差をつけれること。
そしてそのコントロールできる範囲を知ることです。

音量差を考えるというのは、ただ単純に音量差をつけれることではなく、「息がリードを狙う場所を変えずにどれだけ音量差をつけることが出来るのか」ということです。

そこでアンブシュアの見直しなどが必要になってくるわけです。

そこで一つロングトーン練習。

  1. 高いドの音を伸ばします。リードのどこに息を当てるのかしっかりとイメージします。
  2. 次に大きい音で同じ高いドの音を伸ばします。リードの同じ場所に当てるように。
  3. 小さい音で同じ高いドの音を伸ばします。これもリードの同じ場所に当てるように。

さて、この3種類を全部同じ場所で狙うと音量差を付けづらいということが分かります。

自分にとって音量差によって音が裏返らない、リードミスが起こらない、どこに息を当てるのが最適なのはどこかを考え、そこから徐々に音量差を広げることができるようにします。

出来るようになると低音も行ってみます。高音域とどのように変化があるのかを考えます。

  1. 低音ドの音を伸ばします。高音域とリードに息を当てる場所が異なるはずです。
  2. 次に大きい音で同じ低いドの音を伸ばします。上記とリードの同じ場所に当てるように。
  3. 小さい音で同じ高いドの音を伸ばします。超絶難しいです。楽器の状態も良くないと難しいです。

リードを狙う場所を考え、どれだけ音量差を出せるのかがロングトーンなどで行う重要な練習方法です。

Katsuhiro Kado

サックスプレイヤー。「一生使えるサックス基礎トレ本」「サックスプレイヤーのための全知識」「ドレミで覚えるジャズアドリブの法則」など、サックスやジャズの教則本を執筆。演奏や教育の方面など多岐にわたり活動中。https://katsuhirokado.com

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