サックスの「いい音」とは
サックスで「いい音」という表現は難しい。
理由はそれぞれ「いい音」というイメージが異なるから。ジャズ、クラシック、フュージョン、ロック、、、、様々な音色があるので「いい音」というのも十人十色。
しかし、それでは何も進まないので、万人に共通する「いい音」というのを考えてみると2つの事があった。
それが「音程」と「音量」。
高音域から低音域まで正しい音程で同じ音量で吹けること。これが「いい音」としての土台だなと考える。
但し、音程の正解は1つしか無いけど、音量は小さい音から大きい音まで幅広くあるけど。
この2つの条件をクリア出来ればおそらく自分は「いい音」を演奏できる技術を持っていると判断します。
「いい音」を磨くためには基礎練習を継続して行うという方法しかないと考えています。
しかし、一般的に言われる「いい音」というのはこの技術的観点だけではない。いわゆる「音質」も加わっている。
「音質」というのは音が明るいとか、暗いとか感じる事。音色の明るさというのは自分の場合「いい音」に含まれていない。これこそ人によって考え方が違う「好み」に左右される所だから。ジャンルによっては音質が合っていないから前述の2つの条件をクリアしていても「いい音ではない」とも言われる事もあるし。求める音と自分の出す音のミスマッチから起こること。
一般的に明るい音というのは高次倍音をガッツリだし、ダークな音というのは逆にその倍音を出さないようにする。クラシックはダークな音色を求められる吹き方になるし、フュージョン系の音楽は明るい音を求める傾向にある。
この辺りの指導となると正直な所、サックスの音楽を聞いていない人には教えることが出来ないし、具体的な目標音(例えば誰の何のアルバムのどの曲という風に)というのは教えてもらいたい。
明るい音にも種類があるし、ダークな音にもたくさんの種類があり、それに合わせてアンブシュアや吹き方、息の入れ方も変わる。1曲の中でも変えたいところが出てくれば変える。イメージに合わせた音色づくりのトレーニングとなる。
実は音質の改善に一番効果的なトレーニングというのは「比較」。サックスの音をたくさん聴き、好きな音を見つけ、自分の音と比較する。するとロングトーンの練習で、自分の音を理想に近づけるために色々トライすることになる(もちろん失敗もそれなりにあるけど…)。すると音質も自然と理想とする方向に進んでいくことになる。
技術的な問題と、音質イメージ、両方大事。