「息の通り道」を考える

サックスは息を使って鳴らす楽器なので、よく「肺活量が必要」的な話を聞きます。しかし、サックスを演奏する上で肺活量って本当に必要ですか?

正直、自分は肺活量はあればいいけど、そんなに重要ではないと思っています。
肺活量は増やすことは出来ても、そもそも肺自体は鍛えられて大きくなったりするものもないですし。

自分は今ある肺活量をいかに効率よく使うかが一番大事だと思っています。息を増やすのではなく、無駄なく使うようにすることです。つまり、息の通り道を考えてみることから始めてみます。

肺から送り出した息は喉を通って、舌の上を通って楽器に届きます。これが息が通る道ですが、そこにパイプのようなイメージを作り、その中を息が通っていく感じです。

このパイプが太すぎると息を大量に浪費することになり、ピッチの低い音や低音域ばかり大きくなる音になってしまいます。そりゃ太すぎる通り道ですから全然速く息を押し出すことは出来ないですね。

そしてパイプの硬さも重要です。

息をたくさん出している通り道がフニャフニャの状態では安定した息を維持出来るはずがありません。吹いている息に負けないくらいしっかりとしたものが必要です。

自分のイメージでは水道の配管なんですよね。水道の配管って細くて頑丈(今の水道管は硬い材質じゃないですが)なものなんですよね。水圧に負けないくらい頑丈なもの。故に、息圧で負けない通り道が喉から口にかけて出来ているイメージです。

「喉を開け」というのもありますが、自分はあまりオススメしていません。「大量に息を送りこむのに負けないくらい喉が硬い状態で」というのがセットになっていないと意味がないからです。「喉を開いて」というのは吹くことに精一杯になりすぎて、音楽的ではなくなるケースが多いので、上級レベルの人が対象になる方法ですね。

もちろん息は喉を通って行くので、もともとパイプのような構造になっていますが、息ばかりを重要視するのではなく、その通り道をもっと考えろという意味です。音を良くする=アンブシュアを考えるだけではありません。通り道を考える方法もあります。