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シリーズⅢ・スターリングシルバーとストラップの金具

セルマーのシリーズⅢ スターリングシルバーを試させてもらった。

これは確かにいい!
管体が銀ということもあり、真鍮製とは異なるふくよかな倍音が入り、そしてコントロールしやすい。

自分のゴールドラッカーのシリーズⅡとは鳴り方が全く異なり、面白い。

ただ、慣れの問題もあると思うけど、鳴っている場所がすごく近い印象を受ける。つまり、遠鳴りしているのかどうか心配になる。

自分の楽器の方が明らかに聞いていて音が小さい。しかし、これはあくまでも演奏者近辺の話。遠くには間違いなく自分の楽器の方が届いている。

先程も記載したように、慣れの問題が出てくるわけですが、これは金属(銀)に対する息の入れ方がイメージ出来ていないことも挙げられる。

やはり銀の楽器って鳴らない。鳴らない(抵抗感が強い)ということは息をしっかり入れる必要があり、そして息を入れる分ラッカーの楽器よりも引き締まるという仕組みが考えられる。

つまりシルバー製品は楽ではない。ここが自分はまだ出来ていないんだなと思う。それと同時に、自分の楽器に特化したという、喜びも感じるわけで。

 

そしてもう一つ、問題がある。倍音がよくなるということは、音色の変化が顕著にでてしまう。それがよく出てくるところが右手と左手の切り替え。つまり、FとGでは音色に変化が出てくる。

ここに関しても慣れというのがあるけど、倍音が特徴的な楽器はこの違いが個人的にしっくりこない時が多い。

実際に今回もそう感じた。

 

しかし、その問題を解決すれば面白いと思う。
というわけで、おそらくBuzzのネジなどを装着すれば行けるんじゃないかと考える。

 

以前、実際に試したところ、このネジはかなり音抜けが出てくる。しかも変えた近辺が結構変わる。
自分の楽器では逆に音バランスが崩れるイメージを持ったので意図的に変えていないけど、この右手・左手の繋ぎ目周辺のネジを変えるのも一つの手だなと思う。

 

そして極めつけはストラップだった。
バードストラップにブルズアイのプラチナ加工してあるフックをつけたオリジナルのストラップを試させてもらった。

これはびっくりした。すごくいい。
前述の右手と左手の音バランスの変化がなくなり、凄くスムーズになった。

たしかにストラップのフックを付けるところは楽器の中間地点にある。つまり、今回も自分がこの楽器で一番問題視したあたり。それが金属で、しかもプラチナ加工してあるだけで息の通りが変わった。

たしかに普段使っているストラップはプラスチック製品で音にはよくない。共鳴が抑えられるから。しかし、金属的に負担を与えたくないという事で、意図的にプラスチックにしている。

そしてストラップでそこまで音は変わらないと思っていたけど、考えを改めなければいけない。そのくらい衝撃だった。

サックスの音は奥が深い…。

Katsuhiro Kado

サックスプレイヤー。「一生使えるサックス基礎トレ本」「サックスプレイヤーのための全知識」「ドレミで覚えるジャズアドリブの法則」など、サックスやジャズの教則本を執筆。演奏や教育の方面など多岐にわたり活動中。https://katsuhirokado.com

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