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フラジオを出す為のコツ

サックスの通常音域はF#。これよりも高い音を特殊な運指を使って出すことを「フラジオ」と呼びます。
通常音域ではないので一筋縄ではいかないのですが、1つ手を加えることで出しやすくなるポイントがありました。

手で押さえてみる

フラジオのAの音は片手での運指になるので左手で押さえます。
その後、写真のように右手で顎の骨のすぐ後ろ辺りを上へ押し上げてみます。

この状態で演奏することでフラジオが出せるようになる確率がかなり上がります。
音は普通に出せるけど、フラジオがでなくて悩んでいる人にこれをやると現時点でかなりの高確率で出せるようになっています。

これを検証してみると、、、

フラジオというのは通常のアンブシュア、というか通常音域の演奏時の口腔内の形では出すことができません。何かしら変化が必要です。
変化というのは息の流れ・方向、アンブシュアの力加減であったりします。その変化を無理やり「押さえる」ということで強制的に行う方法です。

もちろん上方向へ力を入れるので、喉近辺の筋力も負けずに硬くなるようなイメージになります。
さらに、押さえることでアンブシュアの下顎が若干前の方になります。

この2つの効果がフラジオのコツとして存在しています。

以下の条件もあります。

  • 目的の音が分かっていること
  • 大きい音でやらないこと

やはり目的の音(ここではフラジオのA)の音が分からないのに出すというのは無理です。ある程度イメージをすることが大事です。

実はフラジオ運指というのはあって無いようなもの。どんな運指でも出すことが可能です。実際に何も押さえない状態でどんな音でも出すことは可能です。
では、何故運指表などに記載されているのかというと、その運指で吹くと倍音成分上に必ずそのフラジオ音が存在するからです。その倍音成分を聞き分ける能力を持つとかなり早くフラジオを吹くことも出来ます。
 ※但し、倍音成分については分からない人も多いのですが、フラジオを出せる経験者はかなりの確率で聞き分けることができます。

そして大きい音にしないことも重要です。
楽曲で使われるフラジオは大きい音で、さらに高音域で力が必要なイメージですが、これについては全く逆です。小さい音の方が圧倒的に出しやすいです。正確には「通常時よりもやや小さく」という音量ですが。
大きい音量で演奏するためには熟練度が必要です。それ相応の熟練度に達している人だから演奏で使うという選択肢が出てくる。
最初から頑張って吹きまくるのではなく、ある程度力を抜くことも大切です。

もちろんこれだけがフラジオを出すコツではありませんが、きっかけの1つには違いない方法だと思っています。

Katsuhiro Kado

サックスプレイヤー。「一生使えるサックス基礎トレ本」「サックスプレイヤーのための全知識」「ドレミで覚えるジャズアドリブの法則」など、サックスやジャズの教則本を執筆。演奏や教育の方面など多岐にわたり活動中。https://katsuhirokado.com

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