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タンギングとアンブシュアの深さを考える

「タンギングが苦手です。」というのはたくさん聞く。それはタンギングがどこに、どのように、どんな感じでリードに当たっているか分からないという場合だよね。だからタンギングの有無だけでなく、リードミスやピッチの問題まで起こしちゃう。

ほとんどの原因がイメージのズレから起こるもの。初心者で代表的なズレはタンギングはマウスピースとリードの間を塞ぐもの→塞ぐのではなく、リードの振動を押さえるという風にしていく。
他にもタンギングをしようと思いすぎるあまり、舌先に力が入ってしまい、舌の奥(喉の上部)の力が抜けてしまう問題もよくある。

残念ながらタンギングはお互いに見せることが出来ない。だから「こうなっているかもしれない」という想像で教えるしか無い。
でも、最近はタンギングの教え方で分かりやすく効果がある教え方が分かってきた。

マウスピースを通常よりも極端に深く(場合によっては1cm以上)くわえてタンギングをやる。
その後に通常よりも浅くくわえてタンギングをやる。
それを2〜3回繰り返す。

もちろんこの場合はピッチがずれたり、リードミスが起こったりする。当然といえば当然なんだけど、これが起きる原因を考えると、アンブシュアの深さに比例してタンギングの当たる場所も変化しているから。これを「深さを変えても舌がリードに当たる場所を同じにする」と思ってもらうだけで全然変化する。

タンギングって、アンブシュアの深さが変わっても常に当たる場所は同じにしておく必要がある。だからアンブシュアの深さを変えてもタンギングの当たる場所は一定にしておくことが目的。つまり、これで安定したタンギングができるようになれば口の中でリードの位置を正確に把握できるようになっていきます。正確な場所=正確なタンギングに近づくという感じです。

毎回マウスピースをくわえる場所が寸分の狂いもなく一定だと思う?息継ぎしてもずれない?人間がやっているんだから絶対にずれる。マウスピースにつく傷とかを見れば一目瞭然。
他にも音域や音量によって若干だけど深さも変わる(ま、上の歯と下の歯問題もあるけど)。その時に舌がリードに当たる位置がずれればそれはタンギングの質も変化しちゃう。

これはタンギングにトラブルを抱えている人だけでなく、音色や音量に問題を抱えている人にも効果的だった。要はそのマウスピースに対して自分のくわえる深さを理解するためにも。
マウスピースは深くくわえるとピッチが落ちていくけど、ピッチの許容範囲内でどこまで深くくわえることが出来る?みたいな感じで。

Katsuhiro Kado

サックスプレイヤー。「一生使えるサックス基礎トレ本」「サックスプレイヤーのための全知識」「ドレミで覚えるジャズアドリブの法則」など、サックスやジャズの教則本を執筆。演奏や教育の方面など多岐にわたり活動中。https://katsuhirokado.com

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