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楽器を使わないで行うロングトーン練習

ロングトーンはその名の通り、音を伸ばす練習方法です。サックスのみならず、管楽器の音に対する定番基礎練習です。

ロングトーンはもちろん楽器を使うほうが効果的なのですが、楽器を使わなくても十分練習出来ることが分かってきました。

それが「声を出し続ける」だけです。
もちろんその練習方法にも条件があります。

【条件】
①喉仏の上の辺りが硬い状態(力が入っている状態)であること。

写真の指で押さえている部分です。やや高めな声で「ウー」と言ってみると硬くなるはずです。

 

②小さい声を出し続ける(途切れない)こと。

実際に小さい声を出し続けてみてください。その時に硬い状態を維持したまま、小さい声を大体10秒くらいまで維持できるようにしてみます。

 

やってみるとわかりますが、小さい声を出し続けることは結構難しいです。小さい声を維持しようとすると喉が柔らかくなってしまったり、途切れ途切れになってしまいます。しかし、それでは意味がありません。

このままではサックスを小さい音量で吹くときも力が抜けてしまうことが考えられます。それではきれいに音を出すようにはなりません。

サックスを吹く時もそうですが、息の通り道(いわゆる喉部分)の力が抜けていると安定した息を口まで送り届けることが出きません。息の量に関係なく、通り道を硬い状態(安定して送り込める状態)に出来るようにすると、音量や音域に関係なくピッチや音色も安定してきます。

これは喉近辺を鍛える方法として取り入れてみる方法です。もちろん楽器を使ったほうがアンブシュアの練習も兼ねることが出来るので効果的です。しかし、音量の問題や練習の気軽さを考えるとこれも十分な練習方法です。

 

また、硬くなる部分というのは下の付け根(舌根)になります。タンギングが苦手な人はここが緩むことも原因の1つなので、タンギングにも効果があります。

必ずしも楽器を使うだけが練習方法ではないので、ちょっとした時間にやってみても面白いと思います。

Katsuhiro Kado

サックスプレイヤー。「一生使えるサックス基礎トレ本」「サックスプレイヤーのための全知識」「ドレミで覚えるジャズアドリブの法則」など、サックスやジャズの教則本を執筆。演奏や教育の方面など多岐にわたり活動中。https://katsuhirokado.com

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