楽譜と暗譜。これって結構対極にいることが分かってきた。
実は楽譜を読むことが得意な人は失敗するのがとても嫌いな人に多い。演奏のミスが許せないから、徹底的に楽譜を読む。そして楽譜の準備も怠らない。「やってみよう」というと、絶対に楽譜の準備をしてくるし、その準備にちゃんと時間をかける。だから、それなりに出来る。
でも、メロディーを覚えれない。もちろん覚えようという意思はあるし、その努力も怠らない。けど、暗記出来ない。
原因は音感やリズム感にあると思っています。暗譜のやり方も、本当に一語一句間違えないように覚えようとするから中々入ってこないのは当然といえば当然。
もちろんそこで感覚に頼ることが大事なんだけど、音感やリズム感が絶対にあると言い切れる人は少ない。頼れない感覚よりも、しっかりと順序立てて数こなして覚えようとする。だから、余計に覚えれない。
曲を覚える事が得意な人は感覚(音感やリズム感)に優れている人が多い。感覚で分かるから、とりあえず何事も出来る。拍も数えれるし、間違えそうな場合も事前に察知している事が多い。
けど、楽譜が読めていないから、「なんとなく」→「正確」が遠い。
楽譜にはたくさん情報が詰まっているから、シンコペーションなどの少しの変化に対応できないケースがほとんどです。
また、正確な16分休符なども取れていない場合がほとんど。感覚を鍛える練習に楽譜は必須なんだけど、そこを避けているから正確性は怪しい。
実は両パターンともそれなりに出来る。楽譜が得意、暗譜が得意って場合も十分に演奏する実力は付きます。でも、そこからさらに伸びない。やはり「それなり」から抜け出せない。
苦手分野の克服がやはり一番の近道。楽譜が得意な人には暗譜の練習をしてもらう方がいいし、暗譜が得意な人は楽譜を読む練習をしてもらう。これをやってもらうだけで全然変わる。
そして両方とも同じ練習内容を勧める。それが「耳コピ」。
聞こえた通りに演奏するというやつです。
もちろん楽譜を書くことが前提です。
これにより楽譜が得意な人はさらに楽譜能力を鍛えることが出来る他、感覚を研ぎ澄ますようになれるし、暗譜が得意な人は読譜はもちろん、より休符などを意識した演奏が出来ます。
両方ともさらに自分を伸ばしつつ、弱点克服に繋がる練習です。
ただし、デメリットも。
それはツライ事…。
暗譜と楽譜、得意分野は曲によっても変わります。
例えばファンクは覚えやすいけど、ジャズは全く覚えれないとか。もちろんこの場合はジャズをやれという感じになります。
しっかりと自分の特性を活かし、練習内容を組み立てる方が上達の近道となっていきます。