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サックスの半音階(特に♭)の弱点を考える

#のほうが得意なサックス奏者

サックス(に限らず木管楽器は全般だと思うけど)は調合、もしくは臨時記号で「#」は大丈夫だけど「♭」は苦手というのは圧倒的に多いです。自分も例外ではなく、♭は苦手です。

もちろんこれは楽譜的にも理由はあると思います。やはりサックスで渡される楽譜は「#」の付くほうが圧倒的に多いから。

でも、原因は楽器の構造、というか運指の覚え方にも原因があると思っています。

原因は♭を#に置き換えるから

例えばソ#/ラ♭。これの運指の覚え方は「ソ+左手の小指」となっていませんか?同じようにレ#/ミ♭も「レ+右手小指」に。

自然と小指を足すという、#系の運指として覚えているんですよね。

ド#/レ♭もそうです。低音の方はテーブルキーの小指を足すと考えるし、高音の方は中指のドから離すと考えるはずです。

となると、やはり♭を一度#に頭の中で置き換える作業がいるので、遅い→弱点となっちゃいます。

「シ♭/ラ#」は特殊かもしれません。結構「ラ#」よりも「シ♭」で考える人のほうが多いですね。

ちなみに、自分の場合はシ♭とラ#で運指を使い分けています。ラ#は右手のサイドキー(taキー)を使用し、シ♭はBisキーを使用した運指です。

理由は使いやすい運指というのもありますが、ラ#で表記される場合はシ(ナチュラル)が出てくるのでBisキーを使う運指が難しくなるからです。もちろん前後関係を見て簡単な運指としてBisキーを使うこともありますが。

もう一つの理由が「シ♭」でBisキーを使う運指は「シ(ナチュラル)」と同じ左手の人差し指を使い、「ラ#」で右手のサイドキー(taキー)は「ラ+右手」と考えて、音階名に合わせた運指にしやすいというのもあります。

自分のように運指の使い分けは珍しいかもしれませんが、置き換えなくてもいい分、楽な方法と考えています。

やはり一番の問題は「慣れ」

さて、根本的な理由は♭→#運指に置き換える亊ですが、ほぼ似た運指のフルートの人に「♭って苦手?」と聞くとそうでもないんですよね。指は#系運指として覚えるほうが簡単なのに。

となると、完全に「慣れの問題」ですね。フルートなどの実音系の楽器って♭の調合が多いので自然と慣れるようです。

前述の「ラ#/シ♭」では「シ♭」で考える人が多いということも考えるとシ♭のほうが楽譜で多く出てくるので。

スケール練習は♭を考えること。

♭の楽譜に慣れろってことになるんですが、12Keysのスケール練習も徹底的に♭にこだわり、#に置き換えないようにすること。マイナーキーの練習は♭だらけになるので超効果的ですね。

スケール練習は指を動かす練習ではなく、♭の運指に慣れる意味もあると思ってみます。

Katsuhiro Kado

サックスプレイヤー。「一生使えるサックス基礎トレ本」「サックスプレイヤーのための全知識」「ドレミで覚えるジャズアドリブの法則」など、サックスやジャズの教則本を執筆。演奏や教育の方面など多岐にわたり活動中。https://katsuhirokado.com

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