「イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン」コード進行でのソロ例です。
今回のコンセプトは「ディミニッシュコードと半音下のドミナントセブンの関係」です。
この曲はディミニッシュコードをよく使っている曲です。4小節区切りで考えて、各一小節目(楽譜でいう一番左の小節)のほとんどでディミニッシュコードを使用しています。
となると、ディミニッシュコードの対応が必須となります。
ディミニッシュコードのコードトーンがすぐに分かるのであれば問題ないですが、使用されている曲が少ないことから、すぐに分かるとはいかない場合も多いです。
「ディミニッシュコードは短3度音程の積み重ね」と理論ではそう書きますが、その音程もすぐに出てこない、、、、という時の使い方です。
「半音下のドミナントセブンと同じで、ルート音だけ半音上」と覚えるとわかりやすいと思います。
そこから第2段階で「♭9のテンションを足す」と考えてみます。するとコードトーンの出来上がりです。
この曲ではA#dim7です。となるとルートはA#なので、半音下はA。それのドミナントセブンなので「A7」。コードトーンは「ラ・ド#・ミ・ソ」です。それに♭9のテンションであるB♭の音を足すと「ラ・ド#・ミ・ソ・シ♭」です。このルート以外の「ド#・ミ・ソ・シ♭」がディミニッシュのコードトーンです。
「じゃ、Aの音は要注意?」となりますが、これはディミニッシュスケールの音に入るので、ほぼ問題ありません。
「半音下のドミナントセブン」なら考えやすいと思います。
さて、曲の方に戻りますが、この曲は1小節目の3,4拍目でディミニッシュコードを使っていますが、5小節目ではA7になっています。上記の考えで行くとA#dim7とA7は同じですね。
ということで、1小節目と5小節目、9小節目と13小節目、17小節目と21小節目(ここは同じコードですが)、25小節目と29小節目は少しリズムを変えていますが、同じ音使いで、ほぼ同じフレーズで作っています。
A7でも♭9のテンションが入るので、面白い音使いになりますね。
ディミニッシュはもう一つ、セカンダリードミナントの転回形と考えることもできますが、瞬時に判断するにはこの半音下のドミナントセブンが分かりやすいとお思います。