構え方の右手の親指の方向について考えてみる

サックスの構え方にも色々とやり方があるけど、これは初心者には教えない内容です。こんなこと考えていたら曲が吹けなくなるから。ある程度の運指技術を身につけた人向けの内容です。

構え方で重要なのは右手の人差指、中指、薬指、小指。この4本が常に楽器本体に触っている状態が望ましい。レミファあたりのいわゆる押さえる音なら当たり前なんだけど、ソラシ辺りの左手しか押さえない時でも常に触っている状態にしてあげること。これが出来る様になると楽器の安定性が格段に上がるので、運指によるアンブシュアにもズレが出てこないという感じです。

それではその時の親指はどうなっているのかを考えてみると意外にヒントが見えてきます。

自分は指は押さえるというより、掴むという感覚のほうが近いので、軽くグーを作ってみます。もちろん親指が上で。
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すると、右手親指の方向は下方向に力が向くことが分かります。横ではなく、下方向に。
これを楽器に置き換えてみると下記のようになります。
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すると自然と他の指も曲がってくる感覚になると思います。

 

親指は横方向に向いていますが、明らかに力の方向は下です。グーの感覚と全く一緒です。

力の向きが下方向ではなく、横方向にしてみると、下記のように指を伸ばさないと出来ないです。
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つまり、指を伸ばした運指になるので、楽器からも指が離れてしまうという感じです。

他にも人差し指が親指よりも上にいる時も横方向に働きません。
これはサイドキーの誤操作を回避しているからこのような構え方になったとも考えられます。

親指の力の方向を考えるだけでもその他の運指に改善が見られる事が分かってきました。
親指は横に向いているからといって、横に力を入れるとは限りません。ちなみに上方向は楽器を親指で持ち上げている状態なので、間違いなく痛くなります(大体30〜40分が限界)。

確かに脱力することが運指を速くすることに繋がりますが、脱力するためには「力を抜く」という方法だけじゃなく、どこに力をどのように入れるかを考えてみることが大事です。