シャバドゥビという歌い方について

ジャズのアドリブを歌う時によく「シャバドゥビ」という表現を使う。
8分音符を「ターター」と歌うのではなく、「シャバドゥビ」というふうに歌う。

これの理由はスイング感を出しやすいから。
表拍を若干長めに取ることがそのスイング感になるわけだけど、ここでどの位長くするのかが問題になる。

これが「シャバドゥビ」という言葉を使うとちょうどいい感じになる。
もちろん「シャバドゥビ」だけだと普通にスイング感もなくなるので、正確には「シャーバドゥービ」となるわけだけど。

実はこのスイング感については現在やっている仮面ライダー・ウィザードの変身シーンが分かりやすい。

最初この変身シーンを聞いた時は衝撃だった。「シャバドゥビ」とはジャズの世界だけだと思っていたので、一般的にはありえない歌い方だったから。自分は全く違和感を感じないわけだけど、おそらく大半が違和感感じたんだろうなと思ってしまう。

話を戻し、この変身シーンではシャバドゥビがいい感じでスイングしている。
厳密には16分音符のシャッフルにも聞こえるけど、スイングと考えてもいいくらいのタメがある。

「シャー」と「ドゥー」の長さが重要なんだけど、もう一つの重要ポイントが「ビ」という部分。
ここがハッキリ聞こえると自然とスイングするようになる。実際に歌う時も「ビ」の部分を強く歌えるようになるとスイング感が出てくる。それも自然に。

自分も先生が「シャバドゥビ」という歌い方をした時には「え?」とも思ったけど、いつの間にか自分もシャバドゥビで歌うようになっていた。
それが自然だから。

ちなみに、山下洋輔さんのかいた「つきよのおんがくかい」という、ジャズな絵本でもシャバドゥビという表現を使っています。

ちょっとシャバドゥビという歌い方に慣れるだけでもジャズのスイング感を掴むコツになるのではないかと思われる。

不必要なベンドを考える

ジャズ初心者で多いのが不必要なベンド。
ジャズ風に吹くというのはベンドを入れるって事じゃない。けど、このベンドしちゃう人が多い。

ここでいうベンドというのはベンドアップのこと。
通常音程よりも低い音程から始め、すぐに通常音程まで音程を上げる事。
よく「しゃくる」とも言われるテクニックの一つ。

もちろん表現技術の1つだから使う技ではある。けど、自分の意志とは別のところにあるというのが問題になる。
これはクラシックを本格的にやってきた人でもよくある。

その不必要なベンドをやってしまう状態を考えると原因はアンブシュアにある。
もちろん音程を操る技術なのでアンブシュアというのはすぐに分かるんだけど、ここで重要なのが音量やタンギングについての問題というのがありそう。

演奏状態を分析すると、ここぞという時(メロディーの高音域)にバシっと音を出したいけど、息が詰まって音が思うように出ない時にこのベンドがかかっている事がわかる。
つまり、音を大きくしたいがそれが思ったように出来ない時。

これは単純に噛みすぎアンブシュアがクセになっている事が原因ではないかと。

音を大きくするためにはリードをより大きく振動させる必要がある。
その音量を簡単に上げる最も手っ取り早い方法がアンブシュアを緩める事。アンブシュアを緩めればリードは振動するから。

ジャズの奏法でもサブトーンなどではアンブシュアを緩めるし、ほとんどの指導者も噛むなという事が多いはず。
アンブシュアを締め過ぎないというのはちゃんとした奏法です。
(自分の場合はアンブシュアの締め方にこだわっているけど、ここではトピックがずれるので割愛)

でも、問題なのは一瞬だけアンブシュアを緩めている事。

つまり大きい音を出すためにアンブシュアを緩め、大量に息を入れるようにする。
ここで見事に対応出来るわけなんだけど、その後にすぐ(音を伸ばしている時)にアンブシュアが締める方に戻っていき、音量ダウンということになる。

さらにアンブシュアを緩めた状態というのは音程が下がる。
しかし、その後に締めてしまうと音程が高くなるに決まっている。

出だしの音だけ緩めちゃうから、音程も出だしだけ落ちちゃう。その後に普段通りにアンブシュアが戻るからベンドも違和感がある。
ベンドというのは一時的(音の出だしだけ)に音量が上がり、音程が下がるのとはちょっと違う。

となると、注意すべきことはアンブシュアはもちろんだけど、長い音の時の音量の変化も気をつける。
瞬間的に大きくなるのではなく、音量を一定にするってのも重要だし、自分のアクセントの音量も把握しておいた方がいい。

アクセントなどでタンギングを強く、無理して自分のアタック音の限界を超えようとすると不必要なベンドが入ってしまう。
アタックの強さも大事だけど、限界以上のイメージは危険かなと。

さらに、不必要ベンドはタンギングというか、リズムにも問題がある事が分かった。運指の感覚だけでタンギングやってる場合は変なベンドがかかる傾向にある。
タンギングすべき所でタンギングを行うことが出来る。実はこれが意外に難しい。ジャズ特有のアクセントの付け方もあるわけだから。
このへんの習得が出来れば不必要ベンドは皆無になると思われる。

でも、この不必要ベンドは必ず陥る現象の1つ。
もしなったとしても悲観することはない。ただし、放置するのはよくない。

自分の演奏録音などを聴き、分析してみるとよく分かるはず。

ちなみに、ベンドはあまり使いません。
装飾音符を入れることで音程に変化を出したりします。

サックスのストラップの高さを考える

サックスのストラップの高さというのは非常に重要です。
右手や、アンブシュアでの痛みがこれで解決出来る可能性がたくさんあるからです。

はじめてレッスンする人で多いのがストラップが低すぎる状態。
この低すぎる状態というのが右手を痛めやすい状態です。その状態は回避したいので「ストラップを上にあげてください。」と言いますが、これでもまだ低い状態が続きます。

理由を聞くと「息苦しい」「窮屈」という2つの理由が主に返ってきます。
この理由で下げている人はほぼ間違いなく低すぎです。

サックスはアルトで約3Kgの重さがあります。
ストラップを効果的に使えていない場合はこの重さの全てが右手、しかも親指付近に集中してしまいます。
3kgの重さが持続して右手親指に負荷がかかると親指だけでなく、手首の腱鞘炎になるのは分かりきったこと。上手くストラップを使って重さを右手親指だけでなく、負荷を分散させる必要があります。

実際に上に上げる時はどの位までという事ですが、基本は「上の前歯にマウスピースがしっかりと当たるまで」です。
上の前歯はもちろんマウスピースに当てて吹くのですが、これを当てに行っている状態(首を前かがみにする状態)は低いと判断します。

真っ直ぐに立ち、そのまま口元に持っていった時に、上の前歯にマウスピースが当たる状態です。ちょっとでも前かがみはNG。
ここで「慣れないことをするので苦しい」と感じるのであれば「慣れろ」としか言えません。「窮屈な状態だけど理想型」がいいのか、「なんとなく吹けているけど、身体を痛める」のがいいのか。
実際に理想型を掴むと窮屈と感じるどころか、すぐに慣れます。本来「楽な姿勢」なので。

そして「なんとなく吹けている状態」というのも実は厄介で、、、。音が出るからいいんじゃないかと思いきや、ほぼ下唇に歯型クッキリの噛み過ぎ状態になっているパターンが多く見受けられます。
ストラップの高さはこのようなアンブシュアの痛みにも関係してきます。

サックスはリードが振動して鳴る楽器。このリードの振動が重要なんですが、ストラップが低すぎる状態では楽器の位置も低くなるので、上の歯がしっかりとマウスピースを固定出来ない状態となり下唇にリードを押し当てる状態になってしまいます(上弱下強状態)。しかし実際は逆です。上の歯をマウスピースにしっかりと当て、リードに軽く触れる状態が望ましいです(上強下弱状態)。

上弱下強状態は音を出しやすいのですが、音程合わない、息が入らないから音が細い、噛み過ぎて痛いなどメリットはありません。言い切ります!
上強下弱状態をしっかりと作る必要があります。その為にストラップを高くすることが原点です。

右手に痛みを感じる場合はストラップの調整を。
首が締まって苦しいと感じるのであれば、短めなストラップに変えることも視野に入れたほうがいいでしょう。(海外のものは長いものが多く、国産のものは比較的短いものが多いです)

※実際にサックスを構えた写真やストラップの高さ調整については「サックスプレイヤーのための全知識」「一生使えるサックス基礎トレ本」に記載していますのでそちらを参照してください。

そして、、、、

そこから進化していくんですよね。

YouTubeとかで動画をみるとストラップ低い人が多いことが分かります。
プレイヤーの共通点を見ると、楽器から身体を離して演奏しています。

実は楽器を身体につけて演奏するほうが楽器の重さを分散することが出来るんですが、身体から離すほうが楽器が安定します。
さらにサブトーンなどの音色表現の変化も付けやすく、メリットが生まれます。楽器を構えることに慣れてくるとストラップを低くしても「上強下弱状態」を作れるようになっているので、このようなストラップ位置でも演奏できるようになります。正直な所、経験年数1〜2年で低い位置をマネするのは止めることをお勧めします。

フラジオを出す為のコツ

サックスの通常音域はF#。これよりも高い音を特殊な運指を使って出すことを「フラジオ」と呼びます。
通常音域ではないので一筋縄ではいかないのですが、1つ手を加えることで出しやすくなるポイントがありました。

フラジオのAの音は片手での運指になるので左手で押さえます。
その後、写真のように右手で顎の骨のすぐ後ろ辺りを上へ押し上げてみます。
20130610212202

この状態で演奏することでフラジオが出せるようになる確率がかなり上がります。
音は普通に出せるけど、フラジオがでなくて悩んでいる人にこれをやると現時点でかなりの高確率で出せるようになっています。

これを検証してみると、、、
フラジオというのは通常のアンブシュア、というか通常音域の演奏時の口腔内の形では出すことができません。何かしら変化が必要です。
変化というのは息の流れ・方向、アンブシュアの力加減であったりします。その変化を無理やり「押さえる」ということで強制的に行う方法です。

もちろん上方向へ力を入れるので、喉近辺の筋力も負けずに硬くなるようなイメージになります。
さらに、押さえることでアンブシュアの下顎が若干前の方になります。

この2つの効果がフラジオのコツとして存在しています。

しかし、以下の条件もあります。

  • 目的の音が分かっていること
  • 大きい音でやらないこと

やはり目的の音(ここではフラジオのA)の音が分からないのに出すというのは無理です。ある程度イメージをすることが大事です。

実はフラジオ運指というのはあって無いようなもの。どんな運指でも出すことが可能です。実際に何も押さえない状態でどんな音でも出すことは可能です。
では、何故運指表などに記載されているのかというと、その運指で吹くと倍音成分上に必ずそのフラジオ音が存在するからです。その倍音成分を聞き分ける能力を持つとかなり早くフラジオを吹くことも出来ます。
 ※但し、倍音成分については分からない人も多いのですが、フラジオを出せる経験者はかなりの確率で聞き分けることができます。

そして大きい音にしないことも重要です。
楽曲で使われるフラジオは大きい音で、さらに高音域で力が必要なイメージですが、これについては全く逆です。小さい音の方が圧倒的に出しやすいです。正確には「通常時よりもやや小さく」という音量ですが。
大きい音量で演奏するためには熟練度が必要です。それ相応の熟練度に達している人だから演奏で使うという選択肢が出てくる。
最初から頑張って吹きまくるのではなく、ある程度力を抜くことも大切です。

もちろんこれだけがフラジオを出すコツではありませんが、きっかけの1つには違いない方法だと思っています。

鏡を見ながらの練習

サックスの基礎練習などは鏡(というか姿見)を見ながらやることを推奨しています。

かっこ良く吹けている姿というのはやはり理想型。でもコレはナルシスト的な意味(もちろんカッコイイというのも重要!)ではなく、以下の事を考えることが出来るからです。

  • 姿勢は真っ直ぐ
  • 運指のバタつき
  • アンブシュアの状態

もちろん息を入れる楽器なので姿勢は正しい方がいい。真っ直ぐに楽器を咥えることが出来るかどうかというのは重要です。
運指のバタつきは見た瞬間分かります。サックスから指を離しすぎる状態は運指の遅れの原因にもなるので理想とは言えません。
アンブシュアの状態も変化がわかります。特に口の周りの筋肉のハリはすぐに変化が出てくる箇所です。

特にこの3点を見ながら演奏するだけで自分の状態、改善すべき箇所というのがよく分かります。

そしてもう一つ効果があります。

それは鏡を見ながらやる=譜面を見ないということです。
譜面を見ずに演奏するということは、しっかりと音符を覚えていないと出来ません。

運指を考えたり、音符を思い出そうとすると途端に鏡を見るという行為をしなくなります。
音符や運指を考えすぎている状態では、サックスの持つ本来の音色には届きませんので、音符や運指ばかりを考え過ぎない状態に持って行きたいという目的もあります。

自分は特に練習中には目を閉じて演奏するなと言います。目を閉じている状態は自分の音に集中したい場合。しかし、これは自分の世界に入り過ぎ、周りの音をシャットダウンしている状態。上級者ではさほど問題ないのですが、本来周りの楽器との会話(演奏)を楽しむべきあるはずが、独りよがりになる危険性を持っているからです。

よりたくさんの状況を判断し、良い演奏するためには同時にたくさんの事(運指、音色、音符、音程、メロディーなど)を考える必要があります。
鏡を見ながら演奏するだけで、たくさんの事を同時に考える練習につながります。

基礎練習から始め、徐々に曲などにも応用すると非常に効果的です。

SWING感とタンギングの関係

ジャズの演奏時にはSWING感というのを求められる。サックスの場合、このSWING感を出すのにはタンギングの精度というのも非常に重要な関係がある。

実際にドレミファソラシドをスイングして演奏してというとどうなるだろうか?

楽譜では通常の8分音符だけど、SWINGという事で表拍を長く、裏拍を短くするように演奏する。
また、裏拍を強めに演奏する事も重要。
これが基本的な考え方。

そしてもう一つ重要なのが音符の長さ。
ここでは2つのパターンを用意してみた。
swing

縦が音の強さ、横が音の長さです。

2つとも音の出るタイミング、音量は同じですが、各音の長さ(空白はタンギングなどで音を発していない時間)が異なります。
NG例は空白部分、つまりタンギング時に音が出ていない時間が長い。
OK例はタンギングするところが少なく、しかも一瞬しか切れていない。

このOK例がいわゆるノリが出てくる状態かと思っています。

音を発するタイミングはおかしくない事も多いので、音の長さを意識することも重要。
スケール練習でもタンギングは短く、音はギリギリまで伸ばすように意識して行うことが効果的です。

基礎練習に対する考え方

自分は基礎練習が大好きなので、基礎練というものに苦を感じたことはありません。(それが基になって基礎トレ本なんて出しているわけですし…)
もちろんこれは人それぞれ。基礎練が嫌いな人もいるだろうし、逆にどんどんやりたくなる人もいるだろうし。

基礎って自分の土台を作る練習だから、身体に染み込むくらいまでじっくりやる。
まずは目的の練習内容をとりあえず出来るようにし、そこから熟成させるくらいまでやる。「出来た!」で喜んで止めてしまうと染み込んでいないから自分の土台になっていない。まさに固まっていないコンクリート状態。

基礎練習というのは身体の使い方に依存するところが結構多いので一朝一夕にどうにかなるものではない。「出来る」というのが結構遠いところにいるから、何日もかけて行う「熟成期間」ってのが大切なわけですよ。

熟成というのは「どれだけ時間をかけても出来なかった練習」が「数秒で出来る練習」へ変わるくらいまでやった時。例えばブログの方に掲載したような12キーのスケール練習。あれって全く初めての状態でやると数時間かかるというか出来ないはず。でも出来る人がやれば1〜2分あれば出来る。
ロングトーンでも複合させる(例:音を単純に伸ばす+小さい音で練習=クレッシェンド・デクレッシェンドを付けたロングトーン)ことにより、時間を短縮することが出来る。

つまり、時間を省略する術を分かってくるから、余った時間を他の練習へ回す事ができるのが熟成された状態といえるかなと。

ではその状態に到達するためにはどうすればいいか。

基礎練習ですが、自分の場合は「時間を決めてやる事」が重要だと思っています。

1日の時間の練習内容をあまりたくさん取らないようにする。例えば事前に10分とか、30分とか。
(自分は全体の1/4を取るようにしていました)

時間が来たら強制終了。次回練習へ持ち越し。

そして回数を増やす。
基礎って3歩進んで2歩下がる状態が続く。1歩(時間)が大きいとそれだけ戻るのも大きい。そして回数が多ければ多いほど、新鮮な状態で基礎練習に臨むことが出来るので、非常に効果的。
1日の中でも20分×1回ではなく、10分×2回とか、長時間ではなく回数にしてみる。これが熟成に繋ると思っています。

基礎練を繰り返しやってると、その基礎練の本当の意味が分かる時がくる。やっている内容と意味が繋がった時、そりゃ楽しいったらありゃしない。

基礎が固まるとホント色々出来るようになる。本質が分かってくるから。
故に出来ないことから目を背けず、丁寧に繰り返す。何回も。すると自然と基礎練の終わり(つまり次の基礎練を思いつく)も見える。

基礎練が思いつかない場合はこちら↓(宣伝で…)

これも一気に進めるのではなく、回数で!!

楽器を使わなくても出来る薬指トレーニング

サックスを使わくなても出来る指体操です。

下記のように薬指を動かすだけです。(もちろんこの時点で難しいといわれるかも知れませんが、おそらくサックスプレイヤーの人はほとんど出来ると思います。)

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写真は右手になっていますが、もちろん両手で行います。
大体1秒に2回くらい動かす速さを目的に、15〜30秒ほど続ける事が出来ればいいと思います。

運指練習は「速さ」「持久力」で鍛えるもんだと思っています。

ただし、無理し過ぎると腱鞘炎になりかねないので程々に。

ちなみに右利きの自分は右手のほうが余分な力が入り、後半遅くなります。

サックスの大きい音と小さい音の音程の変化

サックスの演奏では音程と喉の形状というのが密接な関係にあります。アンブシュア(口の形状)も重要ですが、音程が低くなる傾向については喉の形の方がアンブシュアよりも重要と考えています。

まず基本的な事ですが、息のスピード(量ではなく速さ)が上がると振動も速くなるので音は高くなります。逆に息のスピードがゆっくりとなると振動も遅くなり、音程が下がります。

音程が低くなってしまう場合はこの喉が開き過ぎという状態になる傾向があります。つまり必要以上に喉を開き過ぎ、音程が落ちてしまう状態です。

この辺りについては「サックスプレイヤーのための全知識」にも書いているのでそちらを参考にしていただければと思います。

そして音量時の喉のコントロールというのが重要になります。

通常(もしくはやや大きめ)の音量で吹くと問題なく聞こえるが、表現力を付けて演奏しようとすると途端に音質が悪い(というか正しくない音程での演奏)方向に変わってしまう事があります。

この問題は小さい音量での演奏の時に喉の形がうまく機能していないことが考えられます。つまり大きい音と小さい音で同じように吹けていないという事です。

そこで実際に同じメロディーを実際に歌ってみるとこの違いが顕著に現れることが分かりました。

「それが大きい声で歌う時と、小さい声で歌う時に音程の違いがある」ということです。

ここで1つ実験をしてみます。

何の予備知識もないまま、大きい声を出してもらった後に小さい声を出してもらいます。その時に小さい声の方が低くなる人の方が多いことが分かりました。(音感の良い人などはこれが同じ音程で歌えるかもしれませんが)

つまり、小さい声(小さい音)の方が喉の力が抜け、音程が低めになってしまうということになります。

息の量を減らすだけでは小さい音になりません。小さい音に合わせたアンブシュアや喉の形に変化させる必要があります。

声帯とサックスの音程というのは繋がっています。同じメロディーでも、大きい声でも小さい声でも同じ音の高さで歌えるようになると、サックスにとっても正しい喉の力加減というのが出来るようになり、正しい音程での演奏に繋がります。

表現力を付けるには「歌う」というのがやはり大事!!

サックスの「いい音」とは

サックスで「いい音」という表現は難しい。
理由はそれぞれ「いい音」というイメージが異なるから。ジャズ、クラシック、フュージョン、ロック、、、、様々な音色があるので「いい音」というのも十人十色。

しかし、それでは何も進まないので、万人に共通する「いい音」というのを考えてみると2つの事があった。

それが「音程」と「音量」。

高音域から低音域まで正しい音程で同じ音量で吹けること。これが「いい音」としての土台だなと考える。
但し、音程の正解は1つしか無いけど、音量は小さい音から大きい音まで幅広くあるけど。

この2つの条件をクリア出来ればおそらく自分は「いい音」を演奏できる技術を持っていると判断します。
「いい音」を磨くためには基礎練習を継続して行うという方法しかないと考えています。

 

しかし、一般的に言われる「いい音」というのはこの技術的観点だけではない。いわゆる「音質」も加わっている。

「音質」というのは音が明るいとか、暗いとか感じる事。音色の明るさというのは自分の場合「いい音」に含まれていない。これこそ人によって考え方が違う「好み」に左右される所だから。ジャンルによっては音質が合っていないから前述の2つの条件をクリアしていても「いい音ではない」とも言われる事もあるし。求める音と自分の出す音のミスマッチから起こること。

一般的に明るい音というのは高次倍音をガッツリだし、ダークな音というのは逆にその倍音を出さないようにする。クラシックはダークな音色を求められる吹き方になるし、フュージョン系の音楽は明るい音を求める傾向にある。

この辺りの指導となると正直な所、サックスの音楽を聞いていない人には教えることが出来ないし、具体的な目標音(例えば誰の何のアルバムのどの曲という風に)というのは教えてもらいたい。

明るい音にも種類があるし、ダークな音にもたくさんの種類があり、それに合わせてアンブシュアや吹き方、息の入れ方も変わる。1曲の中でも変えたいところが出てくれば変える。イメージに合わせた音色づくりのトレーニングとなる。

実は音質の改善に一番効果的なトレーニングというのは「比較」。サックスの音をたくさん聴き、好きな音を見つけ、自分の音と比較する。するとロングトーンの練習で、自分の音を理想に近づけるために色々トライすることになる(もちろん失敗もそれなりにあるけど…)。すると音質も自然と理想とする方向に進んでいくことになる。

技術的な問題と、音質イメージ、両方大事。

サックスを吹く時のお腹のイメージ

サックス演奏でよく言われるのが「お腹に力を入れる」という事です。
しかし、このお腹に力を入れるという説明だけではどのように力を入れるべきなのか疑問が出てくる。

自分の考えでは「お腹」というのは横隔膜のことであり、ただ闇雲に力を入れるのとは異なります。
よく「腹筋トレーニングをすればいいですか?」とも聞かれるけど、使う筋肉が違うからほとんど意味は無い。

自分の場合「お腹にグッと力を入れろ」と言われると外側から内側へと力を入れるイメージになってしまいます。例えるならお腹を殴られても大丈夫なように腹筋を硬くするイメージ。

これは本当に正しい力の入れ方なのか疑問がある。

逆に内側から外側へ押し出すようにお腹に力を入れることも出来る。無理矢理お腹を膨らませるイメージ。
こうするとグッとお腹を膨らませるようにすると、腹筋は硬くならない状態になる。

お腹への力というのは凹ますようにしても、膨らませるようにしても、どちらでも力が入れる事が可能だと思います。

個人的に一番正しいと感じるのは呼吸時に吐く時も吸う時もどちらもお腹を膨らませる方。そうするといい感じに横隔膜部分へ力が入るから。実際には息を吐く時はお腹が凹むんだけど、吐く時も膨らませるようにするイメージ。

すると力は入るけど肩の力が抜けるような感覚になる。体がこわばらない。
ちょっと考え方を変えるだけで色々力の入れ方も変わる。

ちなみに腹式呼吸で音が出る/出ないは全く関係ない。胸式呼吸でも普通に音は出る。
但し、いい音で演奏となると腹式呼吸は必須です。

サックスでの裏拍演奏

ジャズとかポップスとかは足でリズムを刻みながら演奏する事を推奨しています(クラシックや吹奏楽はNG)。
その足でのリズムの取り方なんだけど、つま先ではなく、かかとが上がる方がいいなと思ってます。そこで、そのリズムを取りやすくする為には適度にヒールの高い靴が一番適しているという仮説を持っています。

立って演奏する時、ヒールの高い靴だとつま先上がらないから、嫌でもかかとが上がる事になるし。
ただし、男子的にそれが使えないのが残念。プリンスみたいにヒールの高い靴履けば用意すればいいのかもしれないけど…。

ノリノリで演奏している人とか、つま先でリズム刻んでいる人ってほとんど知らない。かかと側が上がるんだよね。

ジャズでもその傾向にある。

キャノンボールもかかとでリズム取ってる。


ブレッカーも膝が動いてる。

もっと厳密に言うとかかとっていうか膝っていうイメージ。膝のノリがわかると自然と腰でのってくるようになる。コレが出てくると気持ちいいスイング感になる。ちょっとした演奏中の上半身の動きを見ていれば出来ている人は分かる。

日本語では表拍と裏拍という表現を用いるけど、英語ではdownbeatとupbeatと言う。やはり米国発祥の音楽をやる時はdownとupの方がしっくりくる。この辺も身体が上下に動く事で音楽にノッているという感触。

で、重要なのがupbeat。いわゆる裏拍。この裏拍というのはもちろん足を上げた時なんだけど、それが何処にいるのかということ。足が頂点に行った時がちょうど裏と勘違いされるんだけど、実はちょっと違う。足が地面から離れる瞬間が真裏。
その真裏の位置をちょこっと後ろ側にずらす(というか遅らせる)とスイング感が出て来る。
足が地面に接地している時間を長めに取るだけでこの辺りが実感できたりする。

米国の音楽には言葉のリズムってのも関係している。英語の発音の先生が言うには英語の会話リズムってのは裏拍で入るのが多いんだとか。例えば「What’s up」。裏拍入りの典型例との事。
(かと言って、英語な人が必ずスイングしているかと言えばそうじゃないし、日本語しか喋らない人でもとてもスイングする人はたくさんいるけど)

つまり、少なからず裏拍のトレーニングは必要。幼い頃からピアノやってて、メトロノームできっちり練習してるんだけど、なんかノリが違うって場合は裏拍トレーニングを重点的に。身体の動かし方一つで演奏もガラッと変わる。演奏中足の上下運動とかは特に重要ポイントだと感じています。
実際、レコーディングしてても足を動かすだけでリズムの正確さが全然変わってくる。

そしてこの裏拍の位置が正確に分かった状態だと演奏(グルーヴ)がしっくりくる。運指も確実に出来ているけど、なんかジャズっぽくない場合はこの辺を鍛える。音が転ぶっていう場合もこの裏拍を矯正することで直る場合がほとんどです。

タンギング時の舌の形

タンギングが弱点な人の傾向をもう一つ見つけた。タンギング時の舌の形。舌の中心というか真ん中が凹むタイプが苦手な傾向にある。それを凸な感じに修正するだけで結構改善される。

タンギングで音程が変わってしまう場合も舌の中心が凹む場合が多い。
となると、どうにかして舌の中心部分を持ち上げる必要がある。

タンギングの基本は舌先からやや入った所がリードの先端に当たるイメージ。
しかし、大事なのはリードに当たる場所ではなく、舌の奥。いわゆる舌根。

舌の中心が凹む(いわゆるU字状)場合はこの舌根が下側に落ち、口内の容積が広くなりすぎて音程が落ちたり、タンギングの動きがスムーズに行かないケースにある。
つまり、この舌根を上げるという事と、舌の形状が山のように中心が持ち上がればOKということになる。

問題はそのやり方。

自分の場合は「あ行」が一番イメージとして近いんだけど、タンギング苦手な人は「え行」の方が舌の中心が持ちあがる事が判明。
タンギングの場合は「た行」が望ましいと考えているので「た」と「て」で考えてみる。

自分はタンギングは「たたたた」というイメージ。
「た」で発音すると舌が持ち上がるイメージになる。逆に「て」のイメージにはならない。

しかし、「た」で凹むような形になり、「て」で持ち上がるという人もいる。
これは連続して「たたたた」と言ってもらえばわかる。その時に顎が動いて発音してしまうタイプの人は「て」の方が向いている。
「てててて」の方が舌の動きをイメージしやすいようです。

ただし、実際にマウスピースをくわえて「てててて」と言ってもらおうとしても結構難しいみたいで、いつの間にか「とととと」に変わってしまう。
つまりトレーニングの必要はある。

けど、あきらかに時間短縮できる方法であり、一度身につけてしまえばもう大丈夫な場合がほとんど。
タンギングの苦手意識から解放されていくはず。

但し、「ち」「つ」は効果的では無さそう。「と」はタンギングのバリエーションを変える時に使うけど、基礎的なタンギングではないかなと思っています。
これについてはまだ研究中。

サックスの吹き方の基本は誰でも一緒。でも、身体を動かすイメージは人それぞれ。
自分の定規だけで考えるのではなく、ちゃんと人のイメージを想像できるようにしよう。

左手小指の数値化トレーニング

サックス運指での弱点としてもあげられる左手小指。もちろん鍛えるに越したことはないですが、それではどのくらい鍛えればいいのか、具体的な数値に表わしてみると分かりやすいのではないかということで、半分お遊びでのトレーニング方法。

ひたすらソ・ソ#の繰り返し。
反復横とびみたいに、秒数を決め、何回できるかにチャレンジです。ここでは時間を10秒としておきます。

さて、何回出来たでしょうか?

実際の回数を表してみると以下のことが考えられます。ちなみに、平均は30回くらいです。自分は大体40回位です。

回数 考えられる改善点
1〜25回 とりあえず指が動くように頑張る。頑張るのみ。
25〜30回 小指が伸びきったまま(つまり力が入りすぎ)なので、小指を曲げてテーブルキーを押さえるようにしてみましょう。
30〜35回 小指がテーブルキーから離れていることが考えられます。なるべくテーブルキーから離さず、必要最小限の動きにしてみましょう。
35〜40回 十分なトレーニングが出来ている状態です。さらに速く動かすためには小指以外の脱力も考えるようにします。
40回以上 プロ級!

レッスンについての基本的な考え方

レッスンをやっていると「間違えずに演奏してやろう」オーラが強すぎる人もいる。そういう人は運指のミスと裏返る音を気にし過ぎる。しかし、この運指のミスとか音が裏返るとかは自分の場合ほとんど気にしない。

自分の判断基準はシンプルに「ミス」か「出来ない」かの2つ。
出来ないというのは10回やって10回とも失敗する場合。ミスというのは10回やって数回(自分の場合は3〜4回でも成功すればOK)はちゃんと出来る場合。

100%完璧な演奏なんて聴いたことがない。誰でも間違えるし失敗もする。
もちろんミスのない演奏というのは理想である。その理想に近づけるために練習するわけだから。

しかし、聞いていると100点満点の演奏を取ろうとする感じが強すぎる。つまり一つのミスも許さない状態。
自分の場合は100点満点じゃなくてもいいから合格点を出して欲しいと考えている。

学校の試験だってそうだし、人生に100点満点って何度経験した?少なくとも自分はあまり経験がない。小学生くらいならまだしも、大人になればなるほどその経験は少ない。
もちろん高得点を出すほうがいい。でも、その高得点を出すためには段階的なトレーニングというのが必須と考えるから、最初からノーミスにこだわる事は止めてくれと言う。

ここでもう一つ「音楽」をやってもらいたいと考える。

サックスというのは音楽を奏でる楽器。
もちろんいい音楽を奏でるためには技術が必要。しかし、楽器を操ることばかり考えてもいい音楽というのは出来ないと考えている。

サックスの演奏で大事なのはメロディー。
メロディー歌いながら吹くことの方がとても大事。歌うように吹くことに集中して間違えてしまうのはおおいに歓迎する。どれだけ間違えずに演奏出来たとしても、ハートがこもってない演奏なんて聞いていてなんの感動もない。逆にちゃんと「このメロディーを聞いて!」ってのがあると、すごく楽しくなる。

いつでもどこでも完璧に演奏したいに決まってる。ミスは恥ずかしいし、嫌に決まってる。それが先生相手のレッスンだとしても。
でも、人間、ミスを克服して成長する。ミスやったとしても楽観的に。世の中の先生っていうのはそのミスを経験済みだから、絶対に寛容的だし、その解決方法も知っているはず。
むしろたくさん間違えてと言いたいです。その方が改善点が具体的にわかるから。ミスしたって何回かやって、その成功率から改善策を作るわけだから。

そしてレッスン中に自分が出来たと思った事でも先生にダメと言われ、逆に自分的に不甲斐ない演奏でも先生に褒められることもあるはず。こういう場合、ダメといわれる場合がほとんど指にこだわりすぎた音楽的ではない演奏で、褒められたほうが音楽的な演奏出来ていると思っていい。
客観的に見るとよく分かるし、録音などして聞き返してもよく分かる。より音楽的なのはどっちかというのが。

だから、この時に疑問があれば理由をすぐに聞いた方がいい。上達の秘訣が詰まっている。
レッスンの先生にビビることなんて何もない。どんどん聞いてと言いたい。

自分にとっての目標は「○○出来る」ではなく、「聴いている人を演奏で泣かす」です。
レッスンでもこの理念だけは絶対に崩したくない。

但し、基礎練習はノーミスで!

左手小指の動き

左手の小指はサックスで弱点とする運指の一つ。しかし、ここにも攻略のコツというのがある。

サックスは指を軽く曲げた状態で運指を行うほうがいい。もちろんこれは脱力などという意味も含まれているけど、もう一つの大事な要素が「力の方向」。
特に小指はこの力の方向を大事にしています。

例えば、下記のような譜面を演奏した時にどのような指の動きをするか見ます。

スクリーンショット(2013-02-13 0.30.39)

 

もちろんG#→F#の時の動きが重要ですが、ちゃんとF#の時に左手小指がテーブルキーから離れていることが前提です。実際にはテーブルキーを押さえっぱなしでも構造上ちゃんと音は出るけど、ここでは運指確認が目的なので。

で、この時の運指の動き。

小指を伸ばしたままの状態だと「押さえる」と「離す」の2つの方向が出てきちゃうわけなんですよ。

↓これがそのNG例

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伸ばした状態だと力がとても入ってしまう。

実は速い小指の動きに「離す」っていう感覚は無い。(遅い動きだったらあるけど)
押さえる動きに対して、更に押さえるというか、回転させるような動きになり、テーブルキーから滑らせるようになるが理想。

つまり、ずっと同じ方向に力が向くってこと。

↓OK例

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左手の小指を曲げると、結果として回転させる(力の向く方向を変えない)動きが出来る。

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後ろから見た写真。押さえていないF#の時はテーブルキーの真上ではなく、外側(左側)にいる。

この回転させるような動きを身につけると速さが出てくるので、装飾音符や、指のスムーズな動き、そして結果として指が曲がった状態を維持できる(脱力できる)ので指全体の痛みからも解消されるってことになります。

※ただし、条件もあります。これは爪が短いこと。実はテーブルキーって小指の腹ではなく、指先(爪の辺り)で押さえるからです。

痛み=無駄な力を取ることのへの考え方

痛み=無駄な力と捉えることも出来る。
じゃ、どこからその無駄な力が来てるのかっていう原因とその解決方法が大事。

そ典型的な例がハズレのリード。意地でも音を出してやろうと躍起になって吹くと、そりゃ無駄な力が働くに決まってる。
他にも全然調整が出来ていない楽器で低音練習とか。

「練習しろ」という一言で片付かない問題はたくさんある。楽器に問題がない場合は構え方とかにも。力いれてなくても、間接がちょっと変な風に曲がると痛いじゃん。ちょっとは我慢出来ても、長時間は無理とか。一瞬の強い力が全てじゃなく、持続的に弱い力がかかるのも結構危険。

で、単に「力を抜け」じゃなく、「○○に意識を持って行くことで結果として力が抜けた」っていう、解決方法が好きって話しでした。

上唇の形

「いい音」に近づけるには上唇の形も重要。ここに力が入っているかどうか。チェック方法は簡単。ソを吹いてる時に右手で上唇を押さえてみればいいだけ。その時に音が出しやすくなったり、音に雑音が入らなくなったら要注意。上唇に力が入っていない事が考えられる。

アンブシュアの本来の目的は息がスムーズにマウスピースに入るような口の形の事。力が抜けている状態ではスムーズに入るはずもない。そこから漏れる。サックスプレイヤーのための全知識にも書いたけど、自分にとってアンブシュアって水道の蛇口の印象。しっかりとした息(水)がどの位の量で出て行くのかをコントロールする場所。つまり力が抜けていればダダ漏れ…。

つまり、上唇に力を入れろってことなんです。歯のほうじゃないよ、唇だけ。
そうすると唇が見えなくなるようなアンブシュアになる。こういう方が効果的。

ちなみに自分の好きな音で、上唇をガッツリ出して吹く人は知らない。

さらに、この上唇にちゃんと力が入るようになると、顔面の筋力バランスも取れて、顎へあまり力がいかなくなる。顎へ力がいかないという事は下唇の裏に歯形くっきりの我慢大会からも解放される仕組み。

但し、上唇にしっかりと力が入ると、唇を巻くように見えるけど、歯とマウスピースの間に唇を入れるダブルリップとは異なる。ダブルリップは試しにやり続けてみたけど、上唇が取れるかと思う位痛かったから止めたし、推奨はしない。ダブルリップをやるのであれば厚めのマウスピースパッチでもいいんじゃないかと思う。

運指脱力の指導とは

運指でやはり重要なのは脱力。力が抜けた時にこそスムーズに指は動くようになります。
その脱力では2つの別の目的があります。

  1. 指を速く動かす事
  2. 痛みを取る事

この目的を明確にした練習方法が大事と考えています。
指への痛みを感じる人に速く動くための運指トレーニングをしても目的が違うということです。

もちろん現状での技術力も関係しますが、それを以下の2つの項目で振り分けています。

  • 経験年数
  • 読譜力

経験年数もそれなりにあり、読譜力も十分であると感じる。けど指の動きが遅いと感じる場合は1番の指を速く動かすことを目的とした練習になります。これは筋トレ的要素がとても強く、指の動きをしっかりと覚えさせるための反復練習です。

反復練習することにより、筋肉(というか脳)が身体の使い方を覚え、脱力していき、速く動くという意味です。主に白色筋肉(遅筋)を鍛える事が目的です。

 

そしてほとんどの場合が2番です。
痛みを取ることを目的とした練習です。

これは経験年数が浅く、読譜力があまり強くない場合に行います。実は「読譜力」というのがかなりのキーワードになります。

譜読みが遅い→読むのに精一杯で楽曲に付いて行くのが精一杯→運指の事に気が回らない(押さえる指のことばかり考える)→力強くキーを押してしまい、痛みを感じる

こうなることがほとんどだからです。

譜読みを行い、いわゆる暗譜状態になった時には比較的力が抜けます。つまり、意識を運指に回せるような精神状態を作ることが最大の目的です。

運指のコツは如何に譜読みをどれだけ正確にできているかです。
実は速く動かない運指(正確にできない運指)の共通点はこの譜読みが曖昧な状態な場合が最も多く見られます。脳で正確に自分の指の動きを把握できないで、身体だけで覚えようとする場合によく起きてしまいます。正確にイメージ出来ている場合は逆にスムーズに出来たりします。

確認方法は簡単で、難易度の高い速いフレーズを練習した時に、途中で止めたり、遅くなったりすると、譜読みへの疑いを持ちます。(→運指の練習の前に譜読みの練習へ)
スムーズに読めているが、運指が動かない場合は筋力的なトレーニングが必要という事を判断します。(→1番のトレーニングへ)

 

さて、実際の練習方法では意識を持って行くところを考えてもらいますが、まずは1番でも2番でも共通して考えてもらう内容が以下の事です。

・押さえるのではなく、離さない運指を心がける

サックスはキーを押さえて音程を変えますが、この考え方を変えます。楽器から指が離れないように力を入れます。つまり楽器側に力が行くのではなく、外へ向かっていく力に制限をかける。これだけで押さえる力が激減します。
動かない指の原因は「内側へ向かう力(押さえる)」と「外側へ向かう力(離す)」の2つの相反する動きが手の中にいるからです。この中でも「外側へ向かう力」というのは楽器演奏では必要のない力です。楽器にはスプリングが付いているので、力を抜くだけでキーは離れるようになっています。「押さえる↔離す」のではなく「押さえる↔押さえない」に考え方が変わった瞬間、痛みからも解放され、速さも出てきます。
しかし、この考え方を会得してもらうには、まず最初に離さない運指を心がけてもらいます。押さえることは容易に考えることができます。しかし、思いの外離さない動きが難しい事に気づきます(特に速い運指になればなるほど)。この、離さない動きに慣れてくると、力が抜けていくコツとなります。

・指は伸ばさず曲げておく

人間の指は力が入り過ぎると指はまっすぐに伸びてしまいます。逆に力が抜けると軽く曲がるような状態です。ここでの考え方は指が曲がるような脱力を意識するのではなく、力を入れてもいいから常に軽く曲げた状態で演奏することです。そして常に力を入れておくのは不可能ですので、結果として力が抜けていくことになるからです。

 

そしてここからが1番と2番の違いになるのですが、1番は痛みをとるのではなく、痛めつけるのが目的です。前述したように、筋トレが目的となるので、徹底的に指を速く長く動かし続けるようなトレーニングにします。すると右肘から手首にかけて疲れるポイントが出てきます。これを鍛えるようにします。もちろん筋肉の鍛え方になるので、休憩が必要となるトレーニング方法です。

 

痛みをとる2番のトレーニングはスケール練習やロングトーンなど、運指をあまり考えなくても出来るもので行います。疲れさせない、痛めないが最重要課題なので、曲練習でコレを考えるのはかなり後回しです。

そこで構え方(ストラップの高さや手首の角度)を見直し、指の動きを意識してもらうようにします。ここでは音色・音程も考えず、運指に集中してもらうことが重要です。

 

もちろん上記のトレーニングは脱力を目的としているので、一朝一夕で身につくものではありません。長期的に期間を考えたトレーニングにすることが大事です。

そしてどちらも結果として痛みを取ることが目的なので、絶対に無理をしないことを最大限に考えておくようにします。

運指の力と小指

運指練習をやる時は中指を特に意識する。1番力が入ってしまうから。で、レッスンで運指練習を見る時、「中指の力抜いて」と言いますが、実は小指を見てます。小指伸びてる=中指に力入ってる。リラックスしてたら指は軽く曲がってるんだよ。YouTubeとかでも有名プレーヤーの小指見たら分かる。

指を軽く曲げた状態で演奏するのが理想だけど、曲を演奏する時はそんな事考えない。曲練習は曲に集中して、ロングトーンとか、スケール練習でしこたま考えるようにする。そしたらだんだん曲で使えるようになる。段階踏まないと、一気に出来ない。

そして大事なのが逆転の発想。小指が伸びる=中指に力入るので、「中指の脱力」と考えるのではなく、「小指に力を入れてもいいので曲げた状態を維持」と考える。一見力入ってるじゃんと思うけど、小指を曲げた状態を維持すると、意外と中指に力は入らない。そしてそれに慣れると、脱力モードの完成。

分かりやすい例えが影絵の「キツネ」。キツネ作った状態で、小指と人差し指曲げたら、中指の力が抜ける