「ピロピロ」とサックストレーニング

子供用玩具として定番「ピロピロ」(そもそもこれの正式名称なんて知らないんど…)。今はこれが腹式呼吸用トレーニングとして使われているらしい。

は?ピロピロ?子供用でしょ?そんなもん効くの?
と思った最初のイメージ。実際調べてみると本当に出てくる。

これを生徒さんからいただいたので実際に使用してみた。

1mの長さって結構楽しい。

普通に楽しい。まさに子供の頃の遊び道具が大人化したイメージ。

じゃなくて、、、、

実際に吹いた感じの感想として「サックスに効く!」

このピロピロ、吹くのに結構力がいる。グッと力を入れないと伸びない。その力を入れる場所がまさにお腹。本当に腹式呼吸を使う感じ。

腹式呼吸は横隔膜を使う呼吸方法。横隔膜はみぞおち辺りにある筋肉。このピロピロは本当にそこに負荷がかかる。実際吹き終わった後はそこが疲れる。まさにサックスを吹き倒した後のように。

楽しいから調子に乗って吹きすぎたというのもあるかもしれないけど…。

正直、このピロピロってのがどうして腹式呼吸を使うことになるのかは分からない。もしかしたら自分がもう腹式呼吸を使う吹き方しか出来ないからかもしれない。

でも、間違いなくサックスを吹く上で適切な場所に負荷はかかっている。なかなかいいと思う。

さらに、、、

これだけの息の量を使い、吹くのであればそれに対応できる口の周りの筋肉も必要となる。つまり「アンブシュア」にも効く。

特に口の両サイドに効いていれば十分。

もちろん口笛を吹くような形で吹いてしまってはサックスには効かない。ちょっと唇を巻き、サックスのアンブシュアで吹くといいと思う。

腹式呼吸(横隔膜)とアンブシュア(口周りの筋肉)を鍛える上でいい感じかも。

これは夜中にサックス吹けないけど、ちょっと鍛えたいときにいいのでは?
サックスぶら下げて指だけつかって、ネック付けずにピロピロ。

、、、、、うーん、ちょっとシュールかも…。

ただし、弊害も考えて使うといいと思います。

弊害というか、前提にないといけないのがこれを吹いて「鍛えることはできるけど、サックスは上手くならない事」

サックスうまくなりたいのであればサックス吹いたほうがいいです。ロングトーンの方が効きます。当たり前です。

音域や音量によって吹き方も変わるのに、このピロピロを吹いて満足していたらいちばん重要な「音楽力」が身につきません。

サックスは「吹く楽器ではなく「歌う楽器」だからです。

ピロピロがメインになってはいけないと思います。

ということで、自分の考えた効果的な練習方法

1:サックスを使ったロングトーンはやらない。代わりにピロピロ。

音の大きいサックスを使える時間は限られています。単純なロングトーンをやるならこのピロピロつかってロングトーンで十分。

2:音量差を考えた吹き方=伸ばすスピードとして考える

ピロピロのいいところは自分の息を可視化できるところ。つまりどういうスピードで息を入れているのか見える。じゃ、サックスの場合だと、このスピードが結構「音量」に近いイメージ。大きい音だと速く、小さい音だと遅く伸ばすような感じ。速い方でも遅い方でも力の入れ方が変わるから負荷がかかる場所も変わる。自分がどの音量でサックスを吹いているか考えて吹くといいかも。一定のスピードで吹くのって難しい。

3:サックスの本体部分をもってネックの代わりにピロピロ。

上記にもかいたけど、指と息を同時に鍛える練習方法になるかも。

ロングトーンもそこまで長時間やる練習でもないので、適度にピロピロで10分くらいの練習として代用可能ですね。

ということで、そこまで高価でもない(サックスの練習器具としてという意味で、ピロピロとしては高いけど)ので、ま、ちょっとした雰囲気変えたりしたいのであればいいのではないでしょうか。